月別アーカイブ: 2013年3月

弁膜症の手術≪僧帽弁≫

心臓にある4つの弁の1つ僧帽弁は、正式には左房弁と言われるもので左心房と左心室の間にあるもので、この弁に異常が起こって発症する病気に“僧帽弁狭窄症”や“僧帽弁閉鎖不全症”があります。

 

まず“僧帽弁狭窄症”は僧帽弁が十分に開かなくなる病気で、左心房から左心室へ向かう血流が阻まれることによって左心房に血液がたまって血栓ができやすくなり、肺にも水がたまって心不全が起こりやすい状態になります。

 

 

“僧帽弁閉鎖不全症”は僧帽弁が閉じ切らないために、左心室から左心房へ血液が逆流する病気で、かつてはリュウマチが原因で僧帽弁の病気が引き起こされることが多かったのですが、最近では抗生物質が進歩したために著しく減少し、代わりに弁そのものが弱くなって逆流を起こす僧帽弁閉鎖不全症が多くなってきたと言われています。

 

血液を十分に送ろうとして心臓が拡大し、限界の状態になったときに動悸や息切れやせき、呼吸困難といった症状が現れることもありますが、慢性化している場合は逆流の程度が大きくても自覚症状を伴わないこともあるようです。

 

僧帽弁の手術では、殆どの場合自分の弁を取らずに悪い部分だけを修復する“弁形成術”が行われます。

 

この手術は、内服薬を併用しながら弁の周囲にリングなどを取り付けたり、切って形を整えて縫い合わせたりするもので、弁を新たに付け換える“弁置換術”と比較すると術後に感染症や血栓症を発症するリスクが低いと言われています。

弁膜症の手術≪大動脈弁≫

大動脈弁というのは心臓から全身に血液を送り出す際の最後の部分にある弁で、この弁の病気で代表的なものに“大動脈弁狭窄症”や“大動脈弁閉鎖不全症”があります。

 

まず“大動脈弁狭窄症”は、リュウマチ熱や動脈硬化などによって弁の石灰化が進んで全身の血流が悪くなってしまう病気で、大動脈弁が十分に開かないために、左心室から大動脈へ向かう血流が阻まれてスムーズに流れなくなり、左心室にかかる負担が大きくなって心筋が肥大して壁が厚くなります。

 

次に、“大動脈弁閉鎖不全症”は大動脈弁が完全に閉じないために、大動脈へ送られた血液が左心室へと逆流してしまい心肥大を起こし、さらに進行すると心不全が起こりやすい状態になります。

 

これらの病気は長期間無症状のままで徐々に進行していくことが多く、重症化すると心不全や失神、狭心症などの症状が出ますが、放置しておく期間が長くなればなるほど肥大化は進み、手術の危険率が高くなりますし大動脈へ送りだされる血液の量も少なくなるために、心臓の筋肉へ十分な酸素がいきわたらなくなって最悪の場合突然死を招くこともあります。

 

そこで早めに治療を開始する必要がありますが、いずれも大動脈弁の形や動きに問題があるのが原因であるために、根本的に解決するには肺のうっ血を軽減したり血管を拡張させる薬による内科的治療ではなくて弁の手術が適切であると言われています。

 

“大動脈弁”の手術は、弁の不良個所を修復する“弁形成術”と、新たな弁に取り換える“弁置換術”とがありますが、弁形成術で治癒させることは難しいことから殆どの場合弁置換術が行われます。

弁膜症について

心臓には三尖弁(右心房室弁)、肺動脈弁、僧帽弁(左房室弁)、大動脈弁という4つの弁があって血液が逆流するのを防ぐ働きをしています。

 

ところが、心臓の弁の機能に問題が起きて弁の開きが悪くなり血液が流れにくくなると“狭窄”が起こったり、弁が完全に閉じなくなると血液が逆流する“閉鎖不全”という状態になったり、さらにこれらの症状が同時に起こっていることもあります。

 

このような状態を“弁膜症”と言い、弁の病気はじわじわと進行していくために人によっては自覚症状が出ないこともありますが、一般にはちょっと動いただけでも疲れやすかったり、動悸や息切れ、胸の痛み、呼吸困難といった症状を伴うと言われています。

 

弁膜症は心臓の弁の中でも特に“大動脈弁”と“僧帽弁”に起こりやすく、原因としては先天性のものと、リュウマチ熱や動脈硬化、心筋梗塞の後遺症など後天性のものがありますが、近年は高齢化にともなって “大動脈弁狭窄症”や“大動脈閉鎖不全症”、“僧帽弁狭窄症”、“僧帽弁閉鎖不全症”も増えていると言われています。

 

内科的治療では、肺うっ血を軽減するために利尿剤を用いたり、心臓の負担を軽減するために血管を拡げる薬などが処方されますが、弁膜症は自然治癒することはないので定期的な検査を行って病状を管理します。

 

また外科的治療では、問題のある弁を切除して新たに人工弁をつけたり、弁の悪い部分だけを修復する手術が行われます。

 

弁自体は小さなものですが、弁の異常を放置しておくと心臓を動かしている筋肉まで異常が起こって心不全や突然死につながることもあるので、日常生活に変化を感じたら早めに医師に診てもらうようにしましょう。

セカンドオピニオンについて

“セカンドオピニオン”とは、患者が治療に関してよりよい決断をすることを目的としているもので、「担当の医師の診断が正しいか」とか、「主治医にすすめられた手術が適切なものであるか」、あるいは「他にもっといい治療法はないか」など、患者が治療法に関して少しでも不安をいだいている場合には、主治医以外の他の病院の医師の意見を聞いて参考にするというものです。

 

「主治医のことを信用していないみたいで、失礼になるのではないか」と思われる方もいるでしょうが、特にガンや心臓病といった治療法が日に日に進歩している分野では、現場の医師たちでさえセカンドオピニオンを必要とすることが多いようですので、理解して納得し、同意するという“インフォームドコンセント”の概念が普及した現代では、その過程で専門知識をもたない一般の患者が不安を覚えたり、もっと多くの専門家の意見を聞きたいと思うのはごく自然なことだと考えられています。

 

実際に日本でも、大きい病院には“セカンドオピニオン外来”というのがあります。

 

これを利用するには、最初の病院から病気の経過に関する情報提供書類や検査資料をもらってセカンドオピニオンをお願いする病院へ持って行き、「○○病院でこのように言われたのですが、セカンドオピニオンをお願いします」と言えば受け付けてもらえますが、ここでは検査や治療といった診療は行われず、相談だけになるので健康保険給付の対象とはならず費用は全額負担しなければなりません。

 

一般外来での保険診療を希望する場合は再度検査をしてもらうことになりますが、その際にも、これまでの経過が記録された資料があった方がより正確な診断につながるようです。

インフォームドコンセントについて

“インフォームドコンセント”とは、患者が医師と同じレベルで病気に対する情報を得た上で理解・納得・合意という段階を経て行われます。

 

手術などに際しても医師が患者の意思や権利を無視した医療行為に走らないように、治療を開始する前に「病名はどういうもので、今の時点での病状はどうなのか」、「可能な治療法にはどのようなものがあるか」、「それぞれの治療法にはどのような効果が期待でき、同時にどのような副作用や危険性、問題点などがあるか」、「治癒する確率はどのくらいあるのか」、「治療を行わなかった場合に予想される結果」などに関して、分かりやすい言葉で患者本人にすべてを伝えることが基本となっています。

 

患者はその情報をもとに、どのような治療をしたりどのような手術をするか等を自分の意思で選択し、医師は患者が医師の勧める治療法以外の方法を選択した場合にはそれに応じた治療を進めて行くことになります。

 

“インフォームドコンセント”の概念が浸透してきた現在では、医師と患者との信頼関係が築かれることによってより効率のよい治療が行われることが可能になってきましたが、一方で患者が与えられた医療情報をどの程度理解できるか、さらには医師が患者にどれだけ内容を理解させることができるかということの重要性が高まってきています。

 

また、インフォームドコンセントでは患者に正しく理解してもらうためにガンなどの難しい疾患の場合でも告知しなければなりませんが、それによって病気と闘う意欲をなくして

しまうこともあるなど、問題点も多く残されています。